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大学共同利用機関法人自然科学研究機構年度計画(平成24年度)(5ページ) 分子研リポート2011 | 分子科学研究所

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9-12 大学共同利用機関法人自然科学研究機構年度計画(平成 24 年度)

(V I 以降を省略)

I. 研究機構の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置 1. 研究に関する目標を達成するための措置

(1)研究水準及び研究の成果等に関する目標を達成するための措置

①. 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(以下「本機構」という。)は,天文学,核融合科学,分子科学,基礎生物学,生理学 の各分野(以下「各分野」という。)における拠点的研究機関(以下「機関」という。)において,以下の各計画のように,国 際的に高い水準の学術研究を進める。

②. 岡崎統合バイオサイエンスセンターが中心となり,基礎生物学研究所,生理学研究所,分子科学研究所と連携を図りつつ,生 体刺激のセンシング等の多様な生命現象の解明を目指して,生命機能分子の分子的理解に基づいた研究を行う。

③. 新分野創成センター・ブレインサイエンス研究分野においては,本センターから申請し,採択された新学術領域(包括脳)終 了後の計画について,我が国の脳研究の在り方を踏まえながら検討する。脳研究における新しい分野開拓について,若手を中 心にブレインストーミングを行いながら将来計画を立案する。また,ニホンザル及びマーモセットの発生工学を含むサルを用 いた実験的脳研究課題を募集し,高次脳機能の解析とその分子生物学的基盤を探求する研究施設「認知ゲノミクス基盤研究セ ンター(仮称)」の設置実現に向け,実績を積み上げる。

. . 新分野創成センター・イメージングサイエンス研究分野においては,各機関の持つイメージングデータを活用した3次元・4 次元画像化を進める。情報科学と科学計測の融合を目指した新分野「画像科学」の創成に向け,引き続き,「画像科学コミュニ ティー」から課題を募集し,実績を積み上げる。情報交換や情報収集を行う。また,研究会/シンポジウム開催等の活動を通 して,コミュニティーの拡大を図り,「画像科学」の創成を図る。

. .更に,新たな研究分野として「宇宙と生命」に関する研究分野の設置に向けて,情報交換や情報収集を行う。  各分野の特記事項を以下に示す。

(国立天文台)

①. すばる望遠鏡を用いた初期宇宙や太陽系外惑星探査等の重点プログラム,アルマ望遠鏡によるミリ波/サブミリ波天文学研究, 野辺山宇宙電波観測所の 45m ミリ波望遠鏡と A S T E . 10m サブミリ波望遠鏡の連携による電波天文学研究,天文広域精測望遠鏡

(V E R A )による高精度位置天文観測などを推進する。

②. 大学等との連携のもとに,理論天文学,光赤外天文学,電波天文学,太陽・天体プラズマの先端的研究を進めるとともに,独 創的開発研究を推進する。

③. すばる望遠鏡の次世代観測装置として,主焦点広視野カメラ H y per. S upri me- C am の現地試験を実施し,主焦点広視野分光器の 検討を進める。波面補償光学を利用した次世代装置の検討を進める。

④. 米国ハワイ州マウナケア山に次世代超大型光学赤外線望遠鏡 T M T (口径 30. m)を国際協力により実現することをめざし,国 際協議をさらに継続し,核心技術の開発実証を開始する。

⑤.岡山天体物理観測所に設置予定の京都大学新光学赤外線望遠鏡の技術開発を,京都大学,名古屋大学等と協力して行う。

⑥.宇宙航空研究開発機構と協力して太陽観測衛星「ひので」を運用し新たな成果を得るとともに,野辺山太陽電波観測所をはじめ, 他の太陽観測衛星・施設との共同研究を推進する。

⑦.スーパーコンピュータシステムを運用し,また,これを駆使したシミュレーション天文学を推進する。平成25年から運用を開 始する新しいスーパーコンピュータの調達手続きを継続し,年度末までに導入を完了する。

⑧.アルマ計画において,受信機の製作を進める。また,本格運用を開始する。

⑨. 次期太陽観測衛星計画の検討をまとめ,機会を捉えて具体的なミッション提案を行うとともに,将来の位置天文観測衛星,太 陽系外惑星探査衛星,月惑星探査衛星等の実現に向けて検討・基礎技術開発を進める。

⑩.暦を決定する業務として暦象年表を発行するとともに,暦要項を広く社会に公表する。

⑪.高精度時刻維持により協定世界時の決定へ寄与する。また,インターネットへの時刻基準提供サービスを行う。

(核融合科学研究所)

①. 大型ヘリカル実験装置(L H D )において,閉構造ダイバータの更なる整備によって,粒子制御能力の向上を図るための研究を 進め,更なるイオン温度の向上や高性能定常プラズマの実現を目指した実験の基盤を構築する。精度の高い計測と数値解析を 組み合わせた学術研究を進め,高性能プラズマの振舞の物理機構の解明を図る。

②. プラズマシミュレータ(スーパーコンピュータ)のレベルアップにより,核融合プラズマ閉じ込めの物理機構解明,その体系 化及びヘリカル型数値試験炉の構築等の一連の理論・シミュレーション研究の向上を図る。特に,電磁流体力学シミュレーショ ンコード,運動論的シミュレーションコード,連結階層シミュレーションコード及び統合輸送コード等の拡張・高精度化を進 めるとともに,磁場閉じ込めプラズマの3次元平衡,輸送,不安定性,非線形発展及び関連する物理特性に関するシミュレーショ ン研究を行う。

③. 制御核融合の実現のための工学プロジェクトを推進し,原型炉の概念設計研究を推進する。更に基本設計に向けて必要となる 機器構成材料やブランケット及び超伝導コイルシステムを含む炉工学基盤の構築を目指した実験研究を推進し,併せて,基礎 学術・学際研究の推進を図る。

(基礎生物学研究所)

①. 生殖や発生,多様性の獲得,環境応答のしくみ,行動など高次機能の制御を含めた生物の営みのしくみを解明するために,遺 伝子,細胞内小器官,細胞,組織の役割,生物共生の機構などについて,新規モデル生物の開発や光学顕微鏡,次世代 D NAシー ケンサーなど最先端研究手法を用いることによって世界を先導する独創的な研究の推進を図る。

②. モデル生物研究センター並びに生物機能解析センターの活動をさらに充実させ,変異体リソースやデータベースの拡充,及び 小型魚類の変異遺伝子スクリーニング系の提供を行う。また,生物遺伝資源のバックアップ体制の整備と連携して,3D マイク ロ C T等の新規分析機器を導入し研究拠点機能を強化する。

③. 生物学研究のリソースとして必要不可欠な生物遺伝資源の安定した一時保存,提供,リソース回復等を行うとともに,貴重な 生物遺伝資源の毀損・消失を回避し,円滑な研究活動を実施するためのバックアップ体制の運用を開始する。

(生理学研究所)

①. 生体機能を担う分子の動作メカニズム及びその生体機能への統合,生体恒常性維持の発達とその分子・細胞メカニズム及びそ れらの破綻による病態等に関する研究を進める。

②.前年度に引き続き脳神経系における情報処理,記憶学習の分子・細胞的基盤及び病態への関わりに関する研究を行う。

(2)

③. 痛覚・視覚等の感覚・認知や四肢・眼球の運動制御等の脳内機構に関する研究,及び判断・感情や社会的行動等の神経科学的 基盤を明らかにする研究を進める。特に,機能的磁気共鳴画像装置(f M R I)2台の同時計測による対人関係における脳機能等 の研究を一層推進する。

④. ウィルスベクターを用いた遺伝子発現操作によって特定神経回路機能を可逆的に操作して機能を解析する研究手法の確立に向 けた研究を推進する。脳神経系障碍や神経疾患の病態と代償・回復メカニズムとブレイン・マシン・インターフェイスの開発 に関する研究を進める。

⑤.分子・細胞から個体にいたる各レベルでの生体機能の可視化に関する研究を進める。また,可視化のためのプローブ・ベクター 作製等,技術開発・改良を行う。さらに,機能に基盤をおいた革新的コネクトミクス技術によって神経結合を網羅的に解析す る技術を応用した研究を開始する。

(分子科学研究所)

①.理論・計算分子科学研究領域が中心となって,機能性分子の電子過程の解析と理論設計,溶液や生体高分子等の複雑系の構造・ 反応ダイナミクスに関する研究をさらに進めると同時に,ナノ構造体の近接場分光の理論的研究を行う。

②. 光分子科学研究領域が中心となって,分子科学研究への適用を意識したレーザー光源やコヒーレント放射光源と,それらを駆 使した先端的な光計測法の開発を継続して進める。それらを用いた気相・凝縮系・ナノ物質等の励起ダイナミクスの解明制御, 各状態分析等の研究を行う。

③. 物質分子科学研究領域が中心となって,有機太陽電池素子・機能性有機化合物・分子性触媒などの創成・開発,有機伝導体の 新規物性探索,及び,分子性物質の機能物性評価のための新規分光学的手法の開発等の研究を行う。

④. 生命・錯体分子科学研究領域が中心となって,人工光合成系開発を指向した無機小分子の多電子還元反応系の開発,生体膜で のプロトン移動を伴った電子移動反応での電子とプロトンの移動経路の解明,高効率分子触媒開発によるフロー法を用いた高 速分子変換反応の開発等の研究を行う。

(2)研究実施体制等の整備に関する目標を達成するための措置

①. 個々の研究者が応募できる研究推進経費の充実,及び研究進捗状況の審査を踏まえた若手研究者への経費の重点配分など,効 果的な経費の配分を行い,個人の自由な発想に基づく学術研究等を進展させる。

②. 大型研究プロジェクトに関しては,本中期目標・計画の達成に向け,研究者コミュニティーの議論も踏まえつつ,各機関内の 柔軟な研究連携を組織的に推進する。

③.新分野創成センター構成員の拡充を図るなど組織運営を充実させる。ブレインサイエンス研究分野では,研究者コミュニティー から若手研究者を登用した将来計画などを検討する組織及び「認知ゲノミクス基盤研究センター(仮称)」の設置に向けた準備 組織を整備する。イメージングサイエンス研究分野では,関係する国内外の研究者との連携を深め,自然現象のイメージング 化の研究を推進する体制をさらに充実させる。

2 共同利用・共同研究に関する目標を達成するための措置

(1)共同利用・共同研究の内容・水準に関する目標を達成するための措置

①.引き続き各研究施設の高性能化・高機能化を図り,より国際的に高い水準の共同利用・共同研究を進める。

②.各機関において,その研究分野に応じた学術研究ネットワークの中核拠点としての共同利用・共同研究を実施する。

. . 国立天文台では,大型観測装置を共同利用に供するほか,電波 V L B I 分野に加え,光赤外分野において,大学間連携の枠組み 等により天文学研究ネットワークの中核拠点としての役割を果たす。

. . 核融合科学研究所では,引き続き双方向型共同研究における連携強化や一般共同研究を通じた大学支援を進め,中核拠点とし て大学と核融合科学研究所の研究活性化に貢献する。

. .基礎生物学研究所では,我が国の生物学研究に必要不可欠な良質の生物遺伝資源を安定的に提供する中核拠点としてバックアッ プ体制の運用を開始する。

. . 生理学研究所では,脳科学・生理学研究に必要な動物やツールの開発・供給及び先端的研究機器の共同利用を通じて学術ネッ トワークの中核拠点としての役割を果たす。

. . 分子科学研究所では,化学分野における先端的研究設備を利用した共同研究を推進するとともに,そのノウハウを大学でも活 かせるように,大学内外での相互利用を支援する取組みを開始する。

 各分野の特記事項を以下に示す。

(国立天文台)

①.すばる望遠鏡による国内外の共同利用,次世代装置の共同開発や,次世代超大型光学赤外線望遠鏡 T MT実現のための国際連携 を強化する。

②. アルマ望遠鏡の本格運用開始に伴い,サブミリ波天文学の東アジアの拠点としてアルマ東アジア地域センターにおける国際共 同利用・共同研究を継続して進める。

③. 将来の太陽観測衛星,月探査衛星等の搭載機器をはじめ,種々の観測装置の共同開発,共同利用を全国の大学等と協力して進 める。地上の望遠鏡や「ひので」,「かぐや」などの衛星によって取得されたデータの共同利用を推進し,その成果に関する情 報を広く発信する。また,情報処理技術とデータ利用技術を天文学に融合したバーチャル天文台の運用と,これを利用した研 究を進める。

(核融合科学研究所)

①. L H D 実験への参加及び実験データ利用を促進するための方策を,海外を含めた共同研究者コミュニティーと議論し,実験参加 及びデータ利用の促進を,引き続き図る。これにより,国内外との共同研究をさらに推進する。

②.理論・シミュレーションによる国内外共同研究を積極的に推進する。また,大型計算機の共同利用環境の整備,シンポジウム・ 講習会・報告会等の開催によるシミュレーション科学の普及及び研究交流を進める。

③. 炉工学研究の拠点として,材料・ブランケット・マグネット研究などを国内外の共同研究,特に双方向型共同研究を活用して 推進する。

④. 核融合分野の世界的研究拠点として,国際熱核融合実験炉及び「幅広いアプローチ」を含む国内外の連携研究を大学と共に積 極的に推進する。

(基礎生物学研究所)

①. 生物機能解析センター及びモデル生物研究センターにおいて,生物遺伝資源バックアップ体制整備と連携して設備の強化を行 い,共同利用・共同研究の推進を図る。また,基生研コンファレンス,生物学国際高等コンファレンス(O B C )などの国際コ ンファレンスや,米国・プリンストン大学,ドイツ・マックス・プランク植物育種学研究所及びシンガポール・テマセク生命 科学研究所との学術交流シンポジウム等を通じて,国際共同研究の核としての活動を行う。

(3)

(生理学研究所)

①. 分子から個体そして社会活動にいたる各レベルのイメージング技術を用いた共同利用研究を発展させ,データ解析手法の開発 も行う。特に,革新的なコネクトミクス技術を応用した研究を開始する。

②. 対人関係における脳機能等が測定可能な2台の同時計測用機能的磁気共鳴画像装置(f M R I)を用いた共同利用,共同研究を一 層推進する。

③.ナショナルバイオリソースプロジェクト(NB R P)の一環として,ニホンザルの安定した供給を進める。疾病対策を一層強化し, 供給ニホンザルの一層の高品質化を図り,諸検査結果等のデータベース化を進める。長期的安定供給のための体制整備を引き 続き検討する。また,ゲノム情報に基づき,特定の遺伝的特性を有する個体・家系の保存を開始する。

④. 課題を設定して重点的に進める計画共同研究として,引き続き遺伝子改変ラット・マウスの作製と供給を行う。ラット遺伝子 改変技術の開発を継続して行う。

(分子科学研究所)

①. 極端紫外光研究施設において,加速器高度化改造を進め,更なる高輝度化,トップアップ運転高精度化の実現を目指す。また, 顕微分光ビームラインを建設し,供用開始へ向けて整備を進める。分子制御レーザー開発研究センターとの連携による新たな コヒーレント光源の開発を継続し,レーザー波形整形を応用したコヒーレントシンクロトロン光源の実用化を目指す。機器セ ンター及び分子スケールナノサイエンスセンターが中心になって,高磁場 NM R などの先端的分光計測・構造機能物性評価設備 の充実と共同利用支援の強化を図る。

②. 計算科学研究センターにおいて,新規汎用コンピュータの導入準備を進めるとともに,新しく導入したスーパーコンピュータ を駆使し理論・計算分子科学研究を推進する。

(2)共同利用・共同研究の実施体制等に関する目標を達成するための措置

①. 国立天文台では,各観測所・センターがユーザーズ・ミーティングを開催し共同利用研究者の意見を集約するほか,分野ごと の専門委員会(約半数が台外委員)による審議・助言を得て,観測所の運用や共同利用観測装置の性能・運用について改善を 図る。

②. 核融合科学研究所では,計測器貸出制度を利用者の意見を反映させて更に拡充させると共に,一般共同研究のカテゴリーとし て新たに創設した複数の大学が参画する「ネットワーク型」の活用を図る。

③.基礎生物学研究所では,生物機能解析センターに研究・運営を支援する研究員を配置し,共同研究の質の向上を行う。

④. 生理学研究所では,多次元共同脳科学推進センターで萌芽的な研究分野の開拓を目指す活動を行い,それによって軌道に乗っ た研究課題については脳機能計測・支援センターにおいて推進していくという観点に立って,両センターの改組を行い共同利用・ 共同研究の実施体制を整備する。

⑤. 分子科学研究所では,随時申請や通年申請等の共同利用研究に関する利便性向上の取組みの効果を検証し,必要に応じて見直 すとともに,申請手続の電子化,簡素化を進める。

⑥. 国立天文台ハワイ観測所では,米国ハワイ州マウナケア山の他の観測所と観測時間の交換を行って,共同利用観測者に多様な 観測機会を提供する。また,アルマ東アジア地域センターでは,本格運用を開始し,共同利用・共同研究を推進する。V E R A と韓国の V L B I 観測網(K V N)との結合,中国,韓国との太陽系外惑星探索協力などを通して,東アジアを中心とした研究交 流を推進する。

⑦. 核融合科学研究所では,国際エネルギー機関実施協定や研究所間協定等に基づき,国際的な共同利用,共同研究を総合的に推 進する。

⑧. 基礎生物学研究所では,各種国際コンファレンスでの議論の成果を基盤に,所内外の研究者の参加による新たな国際共同研究 を開始する。

⑨. 生理学研究所では,日米科学技術協力事業 「 脳研究 」 分野の事業を継続し,研究交流の促進を図るとともに,研究成果発表を 更に積極的に行う。

⑩. 分子科学研究所では,「分子研国際共同研究」を継続して実施する。アジア地域及び欧米の分子科学分野での国際研究交流・共 同研究・研究集会を柔軟に実施する。

⑪. 国立天文台では,大学連携型共同研究の枠組みにより,8大学4機関による国内 V L B I 観測網を駆使して電波天文学の研究を 進める。また,国立天文台と7大学が国内外の光学赤外線望遠鏡の連携観測により,光赤外天文学の研究を進める。

⑫. 核融合科学研究所では,双方向型共同研究において,参画6大学附置研究センター間の連携を一層強化し,核融合プラズマ・ 工学分野における重要課題の解明を進める。

⑬. 基礎生物学研究所では,植物科学最先端研究拠点ネットワークで導入した機器のうち,次世代 D N Aシーケンサーの一層の活 用を進めるとともに,植物変異体表現型の画像配信システムを整備し,共同利用に供する。また,藻類培養装置の運用を開始し, この装置を共同利用・共同研究に供するための準備を行う。

⑭. 生理学研究所では,脳科学の研究領域における戦略的プロジェクト等の研究成果が,広く研究者コミュニティーで利用できる ように,実験技術・研究リソース等の積極的な提供を図る。特に,霊長類への遺伝子導入実験を行う共同利用研究を推進し, さらにウィルスベクターの開発・提供を行う拠点形成を開始する。

⑮. 分子科学研究所では,機器センター及び分子スケールナノサイエンスセンターが協力して,「大学連携研究設備ネットワークに よる設備相互利用と共同研究の促進」プロジェクト等を通じ,継続的に先端的分光計測・構造機能物性評価設備の効率的な運 用と支援を図る。

3 教育に関する目標を達成するための措置

(1)大学院への教育協力に関する目標を達成するための措置

①.引き続き高度な研究設備と国際的な研究環境を活かした研究を通じて,自然科学の広い視野と知識を備えた研究者を育成する。

②.総合研究大学院大学の教育に積極的に参加し,大学共同利用機関としての機能を生かした特色ある大学院教育を実施する。 . .物理科学研究科の基盤機関である国立天文台,核融合科学研究所,分子科学研究所においては平成23年度まで実施した「組織

的な大学院教育改革推進プログラム」事業を発展させ,新たに特別経費によるプロジェクト「広い視野を備えた物理科学研究 者を育成するためのコース別大学院教育プログラム」を推進する。また,e‐ ラーニングの整備に基づいた基礎教育の充実や 複数の専攻の協力による共通講義の整備を引き続き進める。

. . 生命科学研究科及び物理科学研究科の基盤機関である基礎生物学研究所,生理学研究所及び分子科学研究所においては,生命 科学研究の多様化に対応できる分野横断的な研究者の育成を目指し,異なる研究科と専攻を横断する「統合生命科学教育プロ グラム」をさらに充実させ,研究者の育成を行う。また,専攻を超えた教育システムである 「 脳科学専攻間融合プログラム 」 を引き続き推進する。

③. 全国の国公私立大学より特別共同利用研究員を受け入れ,大学院教育に協力する。また,東京大学大学院,名古屋大学大学院 等との間で,単位取得互換制度を備えた教育協力の実施を図る。

(4)

(2)人材養成に関する目標を達成するための措置

①. 優秀な若手研究者を,国内外を問わず公募して,博士研究員として受入れる。また,リサーチアシスタント(R A )制度を見直 すことで優れた若手研究者の養成を図る。

. .更に寄附金や基金なども活用し,研究発表の機会の提供等,若手研究者・学生支援の充実を図る。

②. 各機関において,総合研究大学院大学の事業「夏の体験入学」及び「アジア冬の学校」を実施するとともに,総合研究大学院 大学大学院生を対象としたすばる望遠鏡や野辺山 45m 電波望遠鏡を利用した観測実習(国立天文台),「核融合科学人材養成プ ログラム」(核融合科学研究所),学部学生,大学院生一般を対象とした「N 体シミュレーションの学校」(国立天文台),大学 院生を含む東アジア若手研究者招聘事業(分子科学研究所),国内研究者を対象にした「ゲノムインフォマティックストレーニ ングコース」(基礎生物学研究所),「生理科学実験技術トレーニングコース」及び「多次元共同脳科学推進センター. トレーニン グ&レクチャー」(生理学研究所),更には,国立シンガポール大学と協力し,シンガポールでアジアの若手研究者を対象にし た小型魚類の発生遺伝学及びイメージング技法に関する「インターナショナルプラクティカルコース」(基礎生物学研究所)等 を実施し,大学院生を含む国内外の若手研究者の育成に取り組む。

4 その他の目標を達成するための措置

(1)社会との連携や社会貢献に関する目標を達成するための措置

①. ホームページやメーリングリスト,広報誌を活用するとともに,プレスリリースを積極的に行い,社会に向けた最新の研究成 果や学術情報の発信を行う。また,一般公開や市民向け公開講座を行い,自然科学における学術研究の重要性を直接的にかつ 分かり易く社会・国民に訴える活動を展開する。

②. 各機関において,出前授業やスーパーサイエンスハイスクール事業等の理科教育に協力するとともに,国立天文台での施設常 時公開や定例観望会(月2回)の実施など,地域の特性を活かしつつ,自治体,公民館,理科教育研究会や医師会等との協力 による市民講座やセミナーの開催,理科・工作教室等の科学イベントの実施,クラブ活動への協力,医学生理学教材の開発及 び展示館の運営等を通じて科学の普及活動を実施する。

③. 学術成果を社会に還元するため,民間等との共同研究や受託研究等を適切に受け入れると共に,研究で得られた成果を公開し, その普及を促進する。知的財産等の創出として特許出願を支援し,特許収支を考慮した登録特許の管理(評価・PR・維持)を 実施する。

(2)国際化に関する目標を達成するための措置

①. 我が国の自然科学分野における国際的学術拠点として,機構長のリーダーシップの下,国際戦略本部を中心に,欧州分子生物 学研究所(E MB L )やプリンストン大学(米国)等との国際的な共同研究を積極的に実施する。

. .また,国際戦略に基づくアクションプランを策定する。

②.各機関において,すばる国際研究集会(国立天文台),国際土岐コンファレンス(核融合科学研究所),基生研コンファレンス(基 礎生物学研究所),生理研国際シンポジウム(生理学研究所),岡崎コンファレンス(分子科学研究所)等の各機関主催の国際 シンポジウムを開催し,国際交流を進める。人事公募においては,ホームページに英語による研究者の採用情報の掲載やウェ ブによる応募受付システムの採用(国立天文台)を検討し,海外からの応募を可能とするとともに,機構で働く,もしくは機 構を訪問する外国人研究者のために,就業規則等の必要な文書について英文化を計画的に進める。

Ⅱ 業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置 1 組織運営の改善に関する目標を達成するための措置

①. 機構長のリーダーシップの下,役員会や外部委員を含む経営協議会,教育研究評議会等を開催して,研究の促進に向けた不断 の点検を行い,必要な改善を行う。

②. 各機関の運営会議等において,研究計画や共同利用・共同研究の重要事項について,外部の学識経験者からの助言や意見を参 考に,各研究分野の特性を踏まえた業務の改善を実施して効率的な運営を進める。また,核融合科学研究所及び分子科学研究 所では,豊富な学識経験者を顧問に任命し,助言を受ける。

③. 機構長のリーダーシップの下,各機関が一体となって自然科学の新分野の創成を図るため,新分野創成センターの体制を充実 させる。また,若手研究者による萌芽的な分野間協力形成の支援等を行うとともに,研究者交流の活性化を図る。

④. 研究教育職員の採用は原則として公募制により実施し,その人事選考は外部委員を含む運営会議で行い,透明性・公平性の確 保を図る。また,研究者の流動化による研究の活性化を図るため,分子科学研究所においては,内部昇格禁止を実施し,その 他の機関においては,各分野の特徴を踏まえた任期制を実施する。

⑤. 技術職員,事務職員の専門的能力の向上を図るため,機構及び各機関主催の研修を計画的に実施しつつ,外部の研究発表会, 研修等へも積極的に参加させる。また,機構内部の研修については,研修内容の見直しを行う。

⑥.男女共同参画社会に適した環境整備を行うため,男女共同参画推進に向けたアクションプランを計画的に実施する。そのために, 機構内に男女共同参画推進委員会を設置する。本年度は,意識改革のための講演会の開催,就労支援環境の整備のための方策 を講ずる。

2 事務等の効率化・合理化に関する目標を達成するための措置

①.機構全体として効率的な事務処理を推進するため,業務の見直しを行うとともに,事務職員人事の一元化を更に進める。

②. 事務処理に係る情報の共有化やシステム化を進めるため,機構横断的な情報化担当者連絡会を開催する。また,各機関の業務 実績を一元的に管理するシステムの構築を進める。

③. 事務職員について,大学や研究機関等との人事交流を行い,事務局と各機関間の人事異動を推進するとともに,能力及び業績 に関する人事評価を行う。

Ⅲ 財務内容の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置

1 外部研究資金,寄附金その他の自己収入の増加に関する目標を達成するための措置

 自己収入の増加を図るため,外部研究資金の募集等の情報を機構一体的に掲載するために開設した W eb ページを見直し,充実さ せる。

2 経費の抑制に関する目標を達成するための措置

①.「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2006」(平成18年7月7日閣議決定)は終了したが,引き続き人件費削減を行う。

②. 水道光熱費,消耗品費,通信運搬費などの人件費以外の経費について,経年及び月単位の変化の増減要因の分析結果に基づき, 節約方策の検討を行うとともに,節減できた事例については,各機関の契約担当者間で情報共有できる仕組みを構築する。

(5)

3 資産の運用管理の改善に関する目標を達成するための措置

①. 引き続き,固定資産の管理及び活用状況を点検するため各機関の使用責任者に加えて資産管理部署による使用状況の確認も実 施する。また,所期の目的を達成し,活用されていないものを公開した W eb ページの情報内容の充実を図り,有効活用を促進 する。

②.「自然科学研究機構野辺山研修所」の整備・運営を引き続き行う。

. . 国立天文台乗鞍コロナ観測所施設を転用して設置した「自然科学研究機構乗鞍観測所」を全国のあらゆる自然科学分野の研究 者のための共同利用施設として運営する。また,生理学研究所伊根実験室施設を転用して設置した「自然科学研究機構伊根実 験室」を生理学分野に限らず,全国の自然科学分野の大学等の研究者を対象とした臨海実験施設として,共同利用を開始する とともに,その利用可能性を追求し,今後の共同利用の方向性を探っていく。

Ⅳ 自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標を達成するためにとるべき措置 1 評価の充実に関する目標を達成するための措置

①. 研究体制及び共同利用・共同研究体制について,国際的見地から各機関の特性に応じた自己点検及び外部評価等を実施し,そ の結果を広く公開するとともに,必要に応じて見直しを行う。

②.機構全体としての業務運営の改善に資するため,年度計画に基づく実績の検証を行うとともに,外部評価を実施する。 2 情報公開や情報発信等の推進に関する目標を達成するための措置

 機構の活動,財務内容や共同利用・共同研究の状況等を,シンポジウムの開催及び W eb ページの充実,報道発表の実施等により, 一般社会へ分かりやすく発信する。

Ⅴ その他業務運営に関する重要目標を達成するためにとるべき措置 1 施設設備の整備・活用等に関する目標を達成するための措置

①. 世界的に激しい競争が展開されている脳研究を推進するため,生理学研究所実験研究棟の改修を行い,また環境への影響が少 なく安全性の高い将来の核融合発電の実現に向けた学術研究を推進するため,大型ヘリカル実験棟の改修を行うなど,各機関 において研究の高度化に対応して緊急に研究環境を向上させる必要のある施設・設備等の整備を行う。

②.施設実態調査及び満足度調査を行うとともに,その結果に基づき重点的・計画的な整備並びに,施設の有効活用を推進する。

③.施設・設備の維持・保全計画に基づいた維持保全を行う。 2 安全管理に関する目標を達成するための措置

①.防火,防災マニュアルの役職員への周知を徹底するとともに,防災訓練等を実施する。

②.職員の過重労働に起因する労働災害の防止策について,各機関で設置する安全衛生委員会等で検討し,必要な対策を講じる。

③.機構の情報システムや重要な情報資産への不正アクセス等に対する十分なセキュリティ対策を行うとともに,情報セキュリティ セミナー等を開催して,セキュリティに関する啓発を行う。また,セキュリティに関する事例の機構内共有を促進する。 3 法令遵守に関する目標を達成するための措置

 法令違反,論文の捏造・改ざん・盗用,各種ハラスメント,研究費の不適切な執行等の行為を防止するため,各種講習会やセミナー 等を実施し,周知徹底を図る。

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